●こちらは「文芸漫談」の過去の公演リストです
Vol.55●2024年5月11日(金)●ドストエフスキー『罪と罰 Part.2』
料 金■前売・当日:3,000円 全席指定席
開 場■19:00/開 演■19:30/終演予定■21:00
会 場■北沢タウンホール TEL.03-5478-8006
世田谷区北沢2-8-18
作品詳細
「罪と罰」 梗概
頭脳明晰なラスコーリニコフという青年がいた。頭がよかったが、学費未納で大学から除籍されてしまう。彼はある考えに囚われていた。それは、人間は凡人と非凡人の2種類に分けられる。社会を発展させるため、非凡人は凡人に服従するのが義務であり、非凡人は現状を打破し世界を動かすために、既存の法律を無視してもかまわない。非凡人こそが真の人間であるというものだった。
そして、自分も「選ばれた非凡人である」という選民思想を持っていた。生活に困窮していた彼は、その思想から「善行として」悪名高い高利貸しの老婆アリョーナを殺害する。ところが、現場を目撃したアリョーナの義妹まで意図せず殺してしまい、ラスコーリニコフは罪の意識から精神を苛まれる。
一方、予審判事のポルフィーリィは、過去、ラスコーリニコフが執筆した論文に辿り着き、その内容から彼が犯人であると確信。幾度となくラスコーリニコフに迫るも、決定的証拠がないため逃れられてしまう。 逮捕こそ免れたが、不安定な精神状態から憔悴の度合いを深めていくラスコーリニコフ。だが、そんな中出会った、貧しい家族のために体を売る少女・ソーニャの、自己犠牲をいとわない生き方と、彼女が読み聞かせてくれた聖書に救いを見出す。そして、ソーニャに罪を告白し、自首を決意する。
情状酌量され、シベリア流刑8年という寛刑に処されたラスコーリニコフ。彼を追ってシベリアに移住するソーニャ。ラスコーリニコフはソーニャへの愛を確信し、人間回帰への道を歩み始めたところで物語は結末を迎える。
フョードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー <1821年〜1881年>
ロシア帝国の小説家・思想家。
レフ・トルストイ、イワン・ツルゲーネフと並び、19世紀後半のロシア小説を代表する文豪である。
28歳で空想的社会主義に関係して逮捕されるが、出獄後、代表作である『罪と罰』『白痴』『悪霊』『カラマーゾフの兄弟』などを発表し、「現代の預言書」とまでよばれる文学を創造した。
ドストエフスキーの著作は、世界中で読まれ、170以上の言語に翻訳されている。
ソルジェニーツィンやチェーホフ、ニーチェ、サルトル、ウィトゲンシュタイン、アインシュタイン、日本人では、黒澤明、湯川秀樹、小林秀雄、大江健三郎、村上春樹、三島由紀夫、埴谷雄高などの多くの人物に影響を与えた。
出演者プロフィール
いとうせいこう
1961年、東京生まれ。
早稲田大学法学部卒業。 作家・クリエーター。
『ノーライフキング』で小説家としてデビュー。
その後『ワールズ・エンド・ガーデン』『解体屋外伝』『豊かに実る灰』『波の上の甲虫』などを執筆。
2013年『想像ラジオ』で第35回野間文芸新人賞受賞。
最新作『鼻に挟み撃ち』(2013年すばる12月号)で2度目の芥川賞候補にノミネート。
主なエッセイ集として『見仏記』(共作/みうらじゅん)『ボタニカル・ライフ』などの他、舞台・音楽・テレビなどで活躍。
公式HP=http://www.froggy.co.jp/seiko/
奥泉 光
1956年、山形生まれ。
国際基督教大学大学院修了。小説家・近畿大学教授。
主な小説に『ノヴァーリスの引用』『バナールな現象』『「吾輩は猫である」殺人事件』『プラトン学園』『グランド・ミステリー』『鳥類学者のファンタジア』『浪漫的な行軍の記録』『新・地底旅行』『神器—軍艦「橿原」殺人事件』などがある。 1993年『石の来歴』で第110回芥川賞受賞。
2009年『神器—軍艦「橿原」殺人事件』で第62回野間文芸賞を授賞。
2014年『東京自叙伝』で谷崎潤一郎賞を授賞。
公式HP=http://www.okuizumi.com/