●こちらは「文芸漫談」の過去の公演リストです
Vol.42●2017年10月5日(木)●島尾敏雄『死の棘』
料 金■2,500円(全席自由)
会 場■成城ホール(TEL.03-3482-1313)
世田谷区成城6-2-1
作品詳細
『死の棘』梗概
思いやりの深かった妻が、夫の〈情事〉のために突然神経に異常を来たした。
狂気のとりことなって憑かれたように夫の過去をあばきたてる妻。
ひたすら詫び、 許しを求める夫。
日常の平穏な刻は止まり、現実は砕け散る。 狂乱の果てに妻はどこへ行くのか?
ぎりきりまで追いつめられた夫と妻の姿を生々しく描き、夫婦の絆とは何か、愛とは何かを底の底まで見据えた凄絶な人間記録。
島尾敏雄 <1917年〜1986年>
横浜生れ。九大卒。
1944(昭和19)年、第18震洋隊(特攻隊)の指揮官として奄美群島加計呂麻島に赴く。
1945年8月13日に発動命令が下るが、発進命令がないままに15日の敗戦を迎える。
1948年、『単独旅行者』を刊行し、新進作家として注目を集める。
以後、私小説的方法によりながらも日本的リアリズムを超えた独自の作風を示す多くの名作を発表。
代表作に『死の棘』(日本文学大賞・読売文学賞・芸術選奨)、『魚雷艇学生』(野間文芸賞・川端康成文学賞)など。
出演者プロフィール
いとうせいこう
1961年、東京生まれ。
早稲田大学法学部卒業。 作家・クリエーター。
『ノーライフキング』で小説家としてデビュー。
その後『ワールズ・エンド・ガーデン』『解体屋外伝』『豊かに実る灰』『波の上の甲虫』などを執筆。
2013年『想像ラジオ』で第35回野間文芸新人賞受賞。
最新作『鼻に挟み撃ち』(2013年すばる12月号)で2度目の芥川賞候補にノミネート。
主なエッセイ集として『見仏記』(共作/みうらじゅん)『ボタニカル・ライフ』などの他、舞台・音楽・テレビなどで活躍。
公式HP=http://www.froggy.co.jp/seiko/
奥泉 光
1956年、山形生まれ。
国際基督教大学大学院修了。小説家・近畿大学教授。
主な小説に『ノヴァーリスの引用』『バナールな現象』『「吾輩は猫である」殺人事件』『プラトン学園』『グランド・ミステリー』『鳥類学者のファンタジア』『浪漫的な行軍の記録』『新・地底旅行』『神器—軍艦「橿原」殺人事件』などがある。 1993年『石の来歴』で第110回芥川賞受賞。
2009年『神器—軍艦「橿原」殺人事件』で第62回野間文芸賞を授賞。
2014年『東京自叙伝』で谷崎潤一郎賞を授賞。
公式HP=http://www.okuizumi.com/