●こちらは「文芸漫談」の過去の公演リストです
Vol.33●2015年4月16日(木)武者小路実篤『真理先生』
料 金■2,500円(全席自由)
会 場■北沢タウンホール(TEL.03-5478-8006)
世田谷区北沢2-8-18
作品詳細
『真理先生』 梗概
あなたは恋のために死ねる?
刊行後200年以上、世界の若者を魅了し続けた永遠の青春小説。
ゲーテ自身の絶望的な恋の体験を作品化した書簡体小説で ウェルテルの名が、恋する純情多感な青年の代名詞となっている古典的名作。
物語は、主人公のウェルテルが新しい土地にやってくるところから始まる。
ある日のこと、舞踏会に誘われて出かけたウェルテルは、若くて美しいシャルロッテに出会い、たちまちのうちに恋に落ちる。
シャルロッテにはアルベルトという婚約者がいるにもかかわらず、ウェルテルは毎日のようにシャルロッテの家に通いつめ、ひたすら恋い焦がれるようになる。
このままではいけないと思い悩んだウェルテルは、シャルロッテに別れを告げて新たな土地で官職に就くが、どうしてもシャルロッテのことを忘れることができず、また元の土地に戻ってしまう。
しかし、ウェルテルの苦悩はさらに深くなり、ついには自殺を決意してしまう・・・。
●本の裏表紙のメッセージ
今日の小説には暗い世相を描き、人生を否定的にみた作品が多い。
時代の実相はその通りかもしれないが、人生の美しさ、人間の善意を大胆に表明した作品があっていいはずで、本書はそういう作品の典型である。
登場人物はすべて善人だが、善人とはお人好しではなく自分の理想や信念に忠実な努力家であり、こうした人物の異様な魅力を描き、人生肯定家としての作者の頂点をなす作品。
武者小路実篤 <1885年〜1976年>
東京・麹町生れ。子爵家の末子。
1910(明治43)年、志賀直哉らと「白樺」を創刊、「文壇の天窓」を開け放ったと称された。
1918(大正7)年、宮崎県で「新しき村」のユートピア運動を実践、『幸福者』『友情』『人間万歳』等を著す。
昭和初期には『井原西鶴』はじめ伝記を多作、欧米歴遊を機に美術論を執筆、自らも画を描きはじめる。
戦後、一時公職追放となるが、『真理先生』で復帰後は、悠々たる脱俗の境地を貫いた。
1951(昭和26)年、文化勲章受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
出演者プロフィール
いとうせいこう
1961年、東京生まれ。
早稲田大学法学部卒業。 作家・クリエーター。
『ノーライフキング』で小説家としてデビュー。
その後『ワールズ・エンド・ガーデン』『解体屋外伝』『豊かに実る灰』『波の上の甲虫』などを執筆。
2013年『想像ラジオ』で第35回野間文芸新人賞受賞。
最新作『鼻に挟み撃ち』(2013年すばる12月号)で2度目の芥川賞候補にノミネート。
主なエッセイ集として『見仏記』(共作/みうらじゅん)『ボタニカル・ライフ』などの他、舞台・音楽・テレビなどで活躍。
公式HP=http://www.froggy.co.jp/seiko/
奥泉 光
1956年、山形生まれ。
国際基督教大学大学院修了。小説家・近畿大学教授。
主な小説に『ノヴァーリスの引用』『バナールな現象』『「吾輩は猫である」殺人事件』『プラトン学園』『グランド・ミステリー』『鳥類学者のファンタジア』『浪漫的な行軍の記録』『新・地底旅行』『神器—軍艦「橿原」殺人事件』などがある。 1993年『石の来歴』で第110回芥川賞受賞。
2009年『神器—軍艦「橿原」殺人事件』で第62回野間文芸賞を授賞。
2014年『東京自叙伝』で谷崎潤一郎賞を授賞。
公式HP=http://www.okuizumi.com/