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●こちらは「文芸漫談」の過去の公演リストです

Vol.31●2014年10月10日(金)泉鏡花『高野聖』

拡大チラシ

料 金■2,500円(全席自由)
会 場■北沢タウンホール(TEL.03-5478-8006)
    世田谷区北沢2-8-18

作品詳細

『高野聖』 梗概

若狭へ帰省する旅の車中で私は一人の中年の旅僧に出会い、越前から永平寺を訪ねる途中に敦賀に一泊するという旅僧と同行することとなった。
旅僧の馴染みの宿に同宿した私は、夜の床で旅僧から不思議な怪奇譚を聞く。
それはまだ旅僧(宗朝)が若い頃、行脚のため飛騨の山越えをしたときの体験談だった。……

若い修行僧の宗朝は、信州・松本へ向う飛騨天生峠で、先を追い越した富山の薬売りの男が危険な旧道へ進んでいったため、これを追った。
怖ろしい蛇に出くわし、気味悪い山蛭の降ってくる森をなんとか切り抜けた宗朝は、馬の嘶きのする方角へ向い、妖しい美女の住む孤家へたどり着いた。
その家には女の亭主だという白痴の肥った少年もいた。
宗朝は傷ついて汚れた体を、親切な女に川で洗い流して癒してもらうが、女もいつの間にか全裸になっていた。猿やこうもりが女にまとわりつきつつ二人が家に戻ると、留守番をしていた馬引きの親仁(おやじ)が、変らずに戻ってきた宗朝を不思議そうに見た。
その夜、ぐるりと家の周りで鳥獣の鳴き騒ぐ声を宗朝は寝床で聞き、一心不乱に陀羅尼経を呪した。

翌朝、女の家を発ち、宗朝は里へ向いながらも美しい女のことが忘れられず、僧侶の身を捨て女と共に暮らすことを考え、引き返そうとしていた。
そこへ馬を売った帰りの親仁と出くわし、女の秘密を聞かされる。
親仁が今売ってきた昨日の馬は、女の魔力で馬の姿に変えられた助平な富山の薬売りだった。
女には、肉体関係を持った男たちを、息を吹きかけ獣の姿に変える妖力があるという。
宗朝はそれを聞くと、魂が身に戻り、踵を返しあわてて里へ駆け下りていった。

泉鏡花 <1873年(明治6年)〜1939年(昭和14年)> 小説家

明治後期から昭和初期にかけて活躍した小説家。 戯曲や俳句も手がけた。
本名、鏡太郎(きょうたろう)。
金沢市下新町生れ。 尾崎紅葉に師事した。
『夜行巡査』『外科室』で評価を得、『高野聖』で人気作家になる。
江戸文芸の影響を深くうけた怪奇趣味と特有のロマンティシズムで知られる。
また近代における幻想文学の先駆者としても評価される。
他の主要作品に『照葉狂言』、『婦系図』、『歌行燈』などがある。

出演者プロフィール

いとうせいこう

1961年、東京生まれ。
早稲田大学法学部卒業。 作家・クリエーター。
『ノーライフキング』で小説家としてデビュー。
その後『ワールズ・エンド・ガーデン』『解体屋外伝』『豊かに実る灰』『波の上の甲虫』などを執筆。
2013年『想像ラジオ』で第35回野間文芸新人賞受賞。
最新作『鼻に挟み撃ち』(2013年すばる12月号)で2度目の芥川賞候補にノミネート。
主なエッセイ集として『見仏記』(共作/みうらじゅん)『ボタニカル・ライフ』などの他、舞台・音楽・テレビなどで活躍。
公式HP=http://www.froggy.co.jp/seiko/


奥泉 光

1956年、山形生まれ。
国際基督教大学大学院修了。小説家・近畿大学教授。
主な小説に『ノヴァーリスの引用』『バナールな現象』『「吾輩は猫である」殺人事件』『プラトン学園』『グランド・ミステリー』『鳥類学者のファンタジア』『浪漫的な行軍の記録』『新・地底旅行』『神器—軍艦「橿原」殺人事件』などがある。 1993年『石の来歴』で第110回芥川賞受賞。
2009年『神器—軍艦「橿原」殺人事件』で第62回野間文芸賞を授賞。
2014年『東京自叙伝』で谷崎潤一郎賞を授賞。
公式HP=http://www.okuizumi.com/