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●こちらは「文芸漫談」の過去の公演リストです

Vol.07●2008年1月19日(土)デュラス『ラ.マン』


料 金■2,000円(全席自由)
会 場■北沢タウンホール(03-5478-8006)

    世田谷区北沢2-8-18

作品詳細

『ラ・マン〜愛人〜』梗概

舞台は1920年代のフランス領インドシナ(ベトナム)。

富豪の中国人青年はパリに留学し、サイゴンで事業をしている華僑の父親のもとに帰ってきたばかり、少女は実家から学校の寄宿舎に戻る途中の水上バスで出会う。
少女は白人であるプライドから、金持ちであるが中国人というだけで青年を見下す。
しかし、少女の家は貧しい、貧しさゆえの家庭内不和・・・
青年は少女に一目惚れし、チャイナタウンに隠れ家を借り、そこで二人の情事が繰り返される・・・
はじめ少女は中国人青年の金目当てだった。
少女の家族も、青年を金づるにし、見下した態度をあらわにして青年に接する。
青年は思慮深く、忍耐強い。ここでは差別の目を当然と受け止めるだけの大人である。
青年は少女を愛していたが、少女の態度が明らかに金目当てなにで、青年はいたく傷つく・・・ 。それでも、青年は少女を愛した。 将来のない愛人として・・・ 。
彼には許婚がいて、結婚相手は既に決まっていた。
中国のしきたりでは、当然の事だった。
それでも、少女をあきらめきれない青年は、少女の事を父親に打ち明け、結婚を懇願するが聞き入れてはもらえない。
青年は母親から譲り受けた指輪を少女に渡す。
それほど少女を愛していた・・・。
婚礼の日、青年の結婚など、意に介さないと思っていた少女だったが、彼女はそれをじっと見つめていた・・・ 。
少女は青年が結婚した後、また会おうと約束するが、ついに青年はやってこなかった。

青年は、少女の家族をフランスに帰国させる費用を全額援助する。
そして少女の家族はめでたくフランスへ帰ることに・・・・・・

マルグリット・デュラス <1914年〜1996年> フランスの小説家、脚本家、映画監督

1914年にフランス領インドシナ(現ベトナム)のサイゴンに生まれる。
法律を学ぶため、1932年にフランスに帰国し、大学で法律・数学を専攻する。1939年、ロベール・アンテルムと結婚する。1942年に初めての子供を出産後に失う。
1943年に、処女作『あつかましき人々』を発表する。また、この頃、ディオニス・マスコロと知り合う。1950年に発表した、現地で教師をしていたが早くに夫に先立たれた母が、現地の役人にだまされ、海水に浸ってしまう土地を買わされ、それ以後、彼女達一家は貧困を余儀なくされるという一家の苦難と母の悲哀を描いた自伝的小説の『太平洋の防波堤』は、わずかの差でゴンクール賞を逃す。
1984年に発表した、インドシナに住んでいた時に知り合った華僑の青年との初めての性愛体験を描いた自伝的小説『愛人/ラマン』は、ゴンクール賞を受賞し、世界的ベストセラーとなった。
1992年にはフランス・イギリス合作で映画化され、この映画も原作同様ヨーロッパでヒットした。
なお、この作品の姉妹編とも言うべき『北の愛人』は、かつてのデュラスの愛人だった中国人青年の死を聞いて執筆を始めたという。
この作品は1991年に発表された。
ペンネームのデュラスは、彼女の父の出身地から取ったもの。

出演者プロフィール

いとうせいこう

1961年、東京生まれ。
早稲田大学法学部卒業。 作家・クリエーター。
『ノーライフキング』で小説家としてデビュー。
その後『ワールズ・エンド・ガーデン』『解体屋外伝』『豊かに実る灰』『波の上の甲虫』などを執筆。
2013年『想像ラジオ』で第35回野間文芸新人賞受賞。
最新作『鼻に挟み撃ち』(2013年すばる12月号)で2度目の芥川賞候補にノミネート。
主なエッセイ集として『見仏記』(共作/みうらじゅん)『ボタニカル・ライフ』などの他、舞台・音楽・テレビなどで活躍。
公式HP=http://www.froggy.co.jp/seiko/


奥泉 光

1956年、山形生まれ。
国際基督教大学大学院修了。小説家・近畿大学教授。
主な小説に『ノヴァーリスの引用』『バナールな現象』『「吾輩は猫である」殺人事件』『プラトン学園』『グランド・ミステリー』『鳥類学者のファンタジア』『浪漫的な行軍の記録』『新・地底旅行』『神器—軍艦「橿原」殺人事件』などがある。 1993年『石の来歴』で第110回芥川賞受賞。
2009年『神器—軍艦「橿原」殺人事件』で第62回野間文芸賞を授賞。
2014年『東京自叙伝』で谷崎潤一郎賞を授賞。
公式HP=http://www.okuizumi.com/